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今回が最後の木材の豆知識のご案内になります。

最終回は「木材の弱点の対処方法」をお届けします。

●弱点その1~木材は腐る!?

鉄は水に触れると錆びて腐食してきます。

木材も水が触れると腐ります。

正しくいうと腐朽菌が繁殖すると腐ります。

実はこの腐朽菌ですが、含水率が20%以下であれば繁殖しません。

ミイラが入っていた紀元前2000年前の木のひつぎが、ピラミッドの中から
新品同様で発見されたことからも、水の管理さえきちんとすれば木は腐ら
ないのです。

ですからフローリングや家具に水が飛んだら、すぐに拭き取っていただき
たいのです。

そうすれば長い間、きれいな状態を保つことができるのです。

●弱点その2~木材には虫が付く!?

木材を食べる虫の代表はシロアリです。

シロアリはゴキブリの仲間で、木材の細胞壁の「セルロース」というとこ
ろを食べて生きています。

日本の木造住宅に被害を及ぼすシロアリは主に

ヤマトシロアリ
イエシロアリ

です。

どちらも湿気の多いところを好むので、シロアリ対策には乾燥が一番です。

ですから風通しをよくして常に木材を乾燥させるようにすれば木造住宅を
長持ちさせることができます。ただし「イエシロアリ」は乾燥している
木材も食べますので乾燥させていれば万全という訳ではありません。

このようなことから、もしシロアリ被害にあったら専門業者に駆除をお願い
した方がいいでしょう。

次に無垢フローリングに付く虫ですが、一番多いのは「ヒラタキクイムシ」
です。

この虫は乾燥している木材を好んで食べます。

主な栄養分は木材のでんぷんなどのため、広葉樹の辺材が被害にあいやすく、
針葉樹や広葉樹の心材部分はほとんど被害にあいません。

家具や建材の表面に円形の小さな穴(1~2mm)があり、その周囲に白い
木粉が落ちていたらヒラタキクイムシによるものと判断できます。

成虫は体長2.2~8.0mmで春~夏にかけて円形の穴をあけて出てきます。

被害が比較的多い樹種は、カバやサクラなどの辺材が多く使われている木
ですが必ず被害にあうというわけではなく、「ほかの樹種に比べて多少多
い程度」と考えていただいていいかと思います。

そうでなければこれほどたくさんのカバ・サクラが日本で販売されること
はありません。

被害にあいにくいのは、針葉樹の杉、またタンニンの強いアジアンウォール
ナットやもともとシロアリにも強いチークなどです。

通常、フローリングの加工工程で人工乾燥をする過程でその熱により幼虫
や卵は死滅しますが、実際にヒラタキクイムシの被害にあうと、下地合板
から出てきたのか、他の建材から出てきたのか、なかなか特定できないの
が実情です。

対処法としては穴の中に市販のキクイムシ防除用殺虫剤を噴射します。
穴の周辺に直径数ミリの穴を数か所あけ、その穴の中にも殺虫剤を噴射す
るとさらに効果的です。

ただし大規模な被害の場合は専門業者に相談されることをおすすめします。

なお、ヒラタキクイムシはでんぷんが豊富な新しい木材を好みますので築後
3~4年で発生しなくなります。

ですからヒラタキクイムシの被害にあったら

1.殺虫剤を穴が開いているところの奥に噴射する。
2.大規模な場合は専門業者に依頼する。
3.この処置をして2~3年、様子を見る。

このような方法を取っていただければと思います。

さて8回にわたってお届けさせていただきました「木材のお役立ち情報」です
が今回が最終回になります。

短い間でしたがお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

無垢材を扱っているとよくこんなことを耳にします。

「自然の木を伐採して地球環境に悪い!」

果たして本当にそうなのでしょうか?

実は木材を建材で使うと二酸化炭素の排出量を減らすことができます。

建設資材を製造するときは、工場で電気や熱源が必要です。

電気は発電所で天然ガスや石炭を燃焼させ、タービンを回し発電します。

また熱源を得るために重油を燃焼させてます。このときに二酸化炭素を
放出し環境に負荷をかけることになります。

建設資材製造時の消費エネルギーである炭酸放出量のデータがここにあ
ります。

アルムニウム  435,000MJ
合板      12,580MJ
人工乾燥材   6,420MJ
※MJ=炭素放出量の単位

実はアルミニウムは木材の68倍もの炭酸を放出しているのです!

しかも現在使われている建築資材のほとんどは化石燃料(石油など)か
ら作られていますのでいつかは使い果たしてしまいます。

木材はいくら使ってもちゃんと植林を怠らなければ次々に再生します。

しかも木の若いうちは二酸化炭素を多く吸収するので温暖化防止にも役
立ちます。

また最終的に家を取り壊して、新しく家を建てようと思うと、科学物質ば
かりの建材を燃やすよりも木材を燃やした方がはるかに環境にいいのは目
に見えています。

このようにちゃんと循環サイクルをしっかりしていけば木材は環境にもいい
素材なんですね。

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